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鉄道博物館 鉄道開業150年記念 企画展
「鉄道の作った日本の旅150年」
【2022年7月23日(土)〜2023年1月30日(月)】
鉄道博物館では、鉄道開業150年を記念し、鉄道の開業、発展により、その姿を大きく変えてきた日本人の旅と鉄道との関わりを振り返る企画展を開催します。鉄道開業前から1940年代までの旅を前期、1950年代から現代までの旅を後期として2期に分けて開催します。また、本展の開催にあわせ鉄道博物館所蔵の貴重資料を特別公開します。
※内容は、急遽変更になる場合がございます。
※2022年10月26日(水)〜10月28日(金)は展示替え作業を行うため、企画展はご覧いただけません。(10月25日(火)は休館日です。)
【前期の展示】会期:2022年7月23日(土)〜10月24日(月)
0 鉄道開業前の旅
鉄道開業以前、人々の旅の手段は徒歩でした。江戸時代の旅の様子を中心に紹介します。
Ⅰ 明治の旅
1872(明治5)年の鉄道開業により人々の行動範囲は大きく広がり、それまでは考えもつかなかった旅のスタイルが可能になります。初詣や団体旅行など新たな旅の形が生まれ、旅は広く大衆的なものになりました。

新橋〜下関間で運転を開始した
最初の特別急行(特急)列車
1912(明治45)年6月
Ⅱ 大正、昭和初期の旅
旅は、多くの人々にとって身近なものになります。この時期に沿線案内図やポスター、駅スタンプなど旅客を誘致するための案内も盛んに発行されました。
Ⅲ 戦中・戦後の旅
1937(昭和12)年の日中戦争の勃発により国内は戦時体制に入り、一般国民の旅は大きな制約を受けるようになります。軍事輸送のために貨物列車が増発されて旅客列車は大幅に削減され、出征や疎開など戦時体制下での輸送も行われました。戦後は通常の輸送に加え復員、引揚、買い出し、さらに連合軍輸送も行われ、苦難をともなう旅が続きます。

2人掛けの座席に3人掛けが励行された
戦時中の列車の車内

激しい混雑を見せる終戦直後の買い出し列車
【後期の展示】会期:2022年10月29日(土)〜2023年1月30日(月)
Ⅳ 昭和後期の旅〜1950・60年代〜
1950年代半ばには高度経済成長が始まって人々の暮らしが豊かになり、各所へと向かう旺盛な旅行需要が生まれます。また、地方からの集団就職列車の運転、就学人口の増加やベビーブーム世代の修学旅行需要に応えるため、修学旅行専用車両が登場して快適な旅が実現し、児童・生徒の思い出作りに大きな役割を果たしました。

修学旅行列車「ひので」運転開始
1959(昭和34)年
Ⅴ 昭和後期の旅〜1970・80年代〜
1970(昭和45)年に大阪で開催された日本万国博覧会(大阪万博)は、約6400万人もの来場者を集め、その多くは東海道新幹線をはじめとする鉄道を利用しました。また、個人や家族での旅行が増え、男性中心だった旅行者も女性が急増するなど、旅のスタイルが大きく変わりだした時期でもありました。一方で、1970年代に発生した2度のオイルショックによって、国鉄運賃・料金の相次ぐ値上げや、自動車や航空機利用が一般化し、鉄道利用の旅行は減少へと向かいました。

大阪万博への観客で混雑する新大阪駅
1970(昭和45)年
Ⅵ 平成、そして今
1987(昭和62)年4月に国鉄が分割民営化されてJRが発足し、JR各社は各エリア内での旅客誘致に力を入れ、個性的な車両や列車を登場させます。その一方で、鉄道の特性を生かした旅として、インバウンドや高級志向の旅行者向けにクルージングトレインが運転され、さまざまな旅の形が生まれています。

北海道まで直通運転した寝台特急「北斗星」
2015(平成27)年2月

日本海沿いを行くTRAIN SUITE四季島
2017(平成29)年
鉄道博物館「珠玉の秘蔵資料特別公開」
本展の開催に合わせ、明治初期〜半ばまでの鉄道古文書(国指定重要文化財)をはじめ、普段あまり展示することのない秘蔵の資料を、3週間ごとにテーマに分け、展示替えをしながら公開します。